思えばこれが、後の純米吟醸酒DEWA33誕生への布石でもあった。
「寡黙だが人の倍は努力」するのが山形県人。静かな闘志はやがて、技術力として実を結ぶことになる。
その証拠に『山形讃香』誕生以降の昭和61年頃から、東北や全国の鑑評会における本県の金賞受賞数が飛躍的に増加。現在では、金賞多数の常連県として全国的にも有名だ。
妥協を許さない真摯な姿勢、「最高峰」へのこだわり。
しかし過去に一度、頭の痛い出来事もあった。歳暮商戦を前に首都圏などの百貨店で欠品をさせてしまう。
原因は、直前の審査会での合格がゼロだったことによる出荷の制限。
「通常の大吟醸酒レベルでは何ら問題ない。しかし、あくまでも県産酒の最高峰にこだわると...」とのプライドが下した、当然の決断だった。
──かたくななまでに厳しく、そして崇高とも思えるこだわり。
最高峰という言葉がただの飾りではないことを、一杯の『山形讃香』が清らかに語っている。
今期の山形讃香は秀鳳と米鶴が担当
原料米は山形県で大吟醸用の酒米として開発された「雪女神」の中でも、山形県で毎年開催される山形県優良酒米コンテストで県知事賞、
全農山形県本部運営委員会長賞、酒米協議会会長賞を獲得したものを使用します。
そして、山形県酒造組合が審査する雪女神で造った日本酒の求評会で上位の成績となった蔵元が醸します。
その年最高の山形県の酒米を、その年の造りが最も充実している蔵元が最高の造りをする純米大吟醸、それがこの「山形讃香」です。
本年度優良酒米コンテストで上位に入った志賀良弘さん(高畠町)大沼敦さん(新庄市)渡辺誠一さん(大江町)が作った米を使用しています。
醸造は、昨年の雪女神純米大吟醸酒求評会で1位だった秀鳳酒造場(山形市、武田荘一社長)と米鶴酒造(高畠町、梅津陽一郎社長)が担当。
県工業技術センターから助言を受け厳格な基準に沿って醸し、最高級酒に仕上げました。
2蔵の酒はブレンドせず、瓶にはそれぞれ製造元を記しています。
ラベルデザインは世界的工業デザイナー奥山清行さん(山形市出身)が担当。
青色を基調とし、水の流れやみずみずしさを表現しました。
4合瓶(720ミリリットル入り)を7千円で、本年度は約3千本限定で売り出す。
地理的表示(GI)「山形」の認知度も高めて、輸出も目指します。
10~15℃、やや大きめの酒器で、香り、味、後切れをじっくり味わうように楽しんでください。
爽やかで美しい、最高の日本酒の姿をお約束いたします。
今までは山形県のアンテナショップ等でのみの販売でしたが、満を持しての一般販売となります。
保管は5℃以下の冷蔵庫内を推奨します。室温ですと香味が悪い方向に変化する場合があり、せっかくの最高品質を損なうことがあります。
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