

ワインを始め、蒸留酒などでは長い期間熟成を重ねた熟成酒が当たり前のように楽しまれています。
しかし、日本酒の世界では酒造りの歴史は長いのにそういった長期熟成酒があまり一般的ではありません。
「長い期間寝せたお酒は酢になってしまう」劣化してしまった日本酒がそのように表現されてしまい、全ての日本酒がダメになってしまうと思われている方も少なからずいらっしゃるようです。
ではなぜ日本に長期熟成酒が育たなかったのでしょうか?
長期熟成酒が日本に根付かなかった理由

多くの国では長期間熟成された酒を銘酒として大切にし、誇りをもって愛飲されているのになぜ日本では長期熟成酒が育たなかったのでしょうか?
主に考えられる要因を挙げてみました。
- 造り手の事情
- 飲み手の事情
- 政治体制
- 味に対する評価
原料米に主食である貴重な「米」を使っていること。 その貴重な米を使って造った日本酒が熟成によって傷んでしまう可能性があるためあえて熟成させることが行われなませんでした。
今でこそ日本は世界有数の経済力になりましたが、それまでは一般の人は常に貧しく酒も自由に飲める経済状態ではありませんでした。長期熟成酒が有ったとしても質よりも量を求める時代が長く続いていました。
戦前まではお酒を造った時点で課税がされてしまう「造石税」がありました。当時の醸造技術では蔵から出荷される前に酒が腐ってしまう場合も珍しいことではなく、その場合は酒は売りものならない上に酒税の請求が来て倒産する蔵元もありました。とても長期熟成酒を考える余裕などなかったのです。
日本酒の評価はどういうわけか長所よりも短所を探す傾向があります。欠点をどんどん削ってきたため、色は無く、淡麗で、フレッシュで、フルーティな酒ばかりになってしまいました。これでは色があり、味・香りの個性の強い長期熟成酒は最初から話にならないとされてきたきらいがあります。
このような背景がありますが、現在は上記のマイナス要因はほぼ全て無くなったため、年を追うごとに少しずつ長期熟成酒が日本酒ファンの間に浸透してきています。
長期熟成酒の特徴と楽しみ方

木川屋の熟成酒は2〜4℃の冷蔵室による熟成にです。
電気代はそれなりにかかりますが、完全に光をシャットアウトした温度が一定の環境で、安定してゆっくりと熟成が進むため淡熟タイプの熟成酒が多いです。
これとは反対に冷蔵ではなく、冷暗所での熟成は濃熟タイプと言われ、色も年数によっては茶色がかったものが多くなってきます。
- 熟成酒をお飲みになるときは、まず色を確認しましょう
- すぐに飲まずに香りを楽しましょう
- お酒の温度に気をつけましょう
長期熟成を重ねた清酒は熟成による特徴的な熟成香があるものが多いです。
低い温度で熟成させた淡熟タイプのお酒は、新酒よりもほんのりと黄味がかった色が付いています。
常温に近い温度での熟成の濃熟タイプのお酒は濃い黄色から茶色がかった濃い色が多くなっています。
美しい色合いも古酒の魅力の一つ。できるだけ透明なグラスに注いでその色合いも楽しましょう。
グラスをゆらしながらゆっくりと鼻を近づけ、その香りを是非楽しんで下さい。
熟成年数が長くなるにつれて熟成香は強くなります。
フルーティな香りがするお酒もありますが、新酒のようなフレッシュな吟醸香(バナナやメロン、リンゴ等)ではなく、熟した果実の香り(マンゴーやライチなど)が感じられるお酒もあります。
また特徴的な甘みのある香り、カラメルのような甘い香りも感じられます。
飲み頃の温度ですが、大吟醸等であっても熟成酒はあまり冷たい温度は向いていません。
温度が冷たすぎると熟成香はあまり感じられなくなりますので、冷やしてもほんの少しがよいでしょう。本来の味わいを楽しみたいのであれば常温で飲まれることをお薦めいたします。
あまり熟成香が強すぎる場合は、少し冷やしてみるとちょうどバランスがとれると思います。
また、お酒によってはお燗がお薦めです。もちろん熱燗ではなく湯煎で、ほんのりとしたぬる燗が良いです。
熱燗にしてしまうと折角の香りがとんでしまい、味が単調になってしまいます。
一度に全部を燗にするのではなく、少量で試してみたり、常温のものと飲み比べてみるのも楽しみの一つです。
また温度が上がるにつれてお酒は甘味が増えていきます。逆に温度を下げると甘味が減っていきます。
少し飲んでみて、甘すぎる場合は温度を下げる、甘味がもっと欲しい場合は温度を上げて、飲み手が自分の好みの味に微調整することができます。

販売可能長期熟成酒・特注酒一覧
BYは酒造年度の略、毎年の7月1日から翌年の6月30日を指します。
例えば平成29年1月醸造のお酒はH28BY。平成28年12月醸造のお酒も同じくH28BYとなります。
平成29年7月醸造のお酒はH29BYです。
販売中の熟成酒はメーカーの秘蔵品以外に、地酒頒布会の破損予備のストックもあります。
商品によっては数本のみのものもございますので完売の際はあしからずご了承下さい。
BY | 熟成年数 | 品名 | 価格 | ご注文 |
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S52 | 46年 | 初孫 純米 大古酒 四十年熟成酒 超限定品 | 720ml 16,500円 | |
H8 | 27年 | 栄光冨士 特別本醸造 熟成原酒 出羽燦々 初年度仕込 特注品 | 1800ml 5,093円 | |
H26 | 9年 | 東北泉 大吟醸 山田錦35 原酒 KA単体 特注品 | 720ml 6,600円 | 完売 |
R4 | 1年 | 杉勇 純米大吟醸 出羽燦々40 生原酒 特注品 | 1800ml 5,280円 | |
R4 | 1年 | 秀鳳 純米大吟醸 山田錦35 原酒 限定品 | 720ml 3,850円 | |
R4 | 1年 | NEW! 初孫 生もと吟醸酒 美山錦55 特注品 | 720ml 2,420円 | |
R4 | 1年 | NEW! 秀鳳 純米吟醸 山田錦55 原酒 特注品 | 720ml 1,980円 | |
R4 | 1年 | NEW! 出羽桜 純米吟醸 ひとめぼれ55 特注品 | 720ml 1,870円 | |
NEW! 初孫 隠し酒 純米原酒 頒布会スペシャルブレンド 特注品 | 720ml 2,750円 | |||
木川屋独占販売 通年特注品 |
地酒 山居倉庫 純米大吟醸 亀の尾 吊雫原酒 | 720ml 3,740円 | ||
地酒 山居倉庫 純米大吟醸 雪女神 吊雫原酒 | 720ml 3,740円 | |||
地酒 山居倉庫 純米大吟醸 美山錦 吊雫原酒 | 720ml 3,740円 | |||
地酒 山居倉庫 純米大吟醸 上喜元 出羽燦々 槽垂れ | 720ml 2,970円 | |||
地酒 山居倉庫 純米大吟醸 鯉川 亀の尾 | 1800ml 6,710円 | |||
720ml 3,410円 | ||||
地酒 山居倉庫 純米大吟醸 上喜元 出羽燦々 | 720ml 2,750円 | |||
地酒 山居倉庫 純米吟醸 初孫 | 1800ml 3,630円 | |||
720ml 1,870円 | ||||
地酒 山居倉庫 純米吟醸 上喜元 | 1800ml 3,630円 | |||
720ml 1,870円 | ||||
地酒 山居倉庫 純米吟醸 東北泉 | 720ml 1,870円 | |||
地酒 山居倉庫 純米吟醸 清泉川 | 1800ml 3,630円 | |||
720ml 1,870円 | ||||
地酒 山居倉庫 純米吟醸 栄光冨士 | 720ml 1,870円 | |||
地酒 山居倉庫 純米吟醸 鯉川 亀の尾 | 1800ml 4,180円 | |||
720ml 2,200円 | ||||
地酒 山居倉庫 純米 上喜元 | 1800ml 2,970円 | |||
720ml 1,650円 | ||||
地酒 山居倉庫 純米 清泉川 | 1800ml 2,970円 | |||
720ml 1,650円 | ||||
地酒 山居倉庫 純米 栄光冨士 | 1800ml 2,970円 | |||
庄内の酒米 純米吟醸 上喜元 亀の尾 吊雫原酒 特注品 | 720ml 2,915円 | |||
庄内の酒米 純米吟醸 上喜元 亀の尾 特注品 | 720ml 1,870円 | |||
東北泉 純米 雄町 辛口 木川屋特注品 | 1800ml 3,615円 |